背景:
アルバートアインシュタイン は、 物質(質量)をエネルギーに変換すれば、膨大な エネルギーをとりだせると言う理論を発表していた。これを真に受けた科学者達が、この理論を基に75年ほど前に核兵器を作ってしまった。核兵器というからには当然のこととして原子核が関係する。時は第二次大戦中で米英と日独(伊)は交戦中で、戦局を有利とするべく各国は核兵器を製造する努力をしていた。特に米国、英国、カナダは独 日に先んじて原子核を応用した爆弾を製造するべくマンハッタン計画をたてた。
理論:
全てのものは原子から成り立つ。その原子も原子核 と電子から成り立つ。その原子核も陽子と中性子から成り立つ。この陽子と中性子は殆ど同じ重さで、電子は遙かに軽い。ところで原子の重さは、陽子の数と中性子の数を加算したもので決まり、これは質量数と呼ばれる。但し軽水素Hは例外で1個の陽子から成り立ち、中性子は無い。例としてヘリウムHeは陽子の数が2、原子番号が2で、中性子数2で質量数4 となる。
ここで附言 するのは 原子の構造では示されていないが、陽子と中性子間には核力が働き原子核から陽子が飛び出さないようにしている。この核力の基となる「中間子」なるものを湯川秀樹博士が日米開戦の6年前の1934年 に予言している。
ここで、同一の原子でも中性子の数が異なる同位体と言うものがある。重量は異なるが電気的な性質はほぼ同じである。同位体の中には不安定なものがあり、不安定から安定にに向かう性質がある。 不安定な同位体は「放射性同位体」といい崩壊しながら安定に向かう。例えば150個あった 放射性同位体が75個になる時間を半減期と言う。この期間中に各種放射線をだす。これを利用した原子力電池が、太陽から遠く太陽電池に対する光量が期待できないニューホライズンズ宇宙探査機で使用されている。(冥王星探査)
核分裂と連鎖反応:
ウラニウムUやプルトニウムは大変不安定な元素で核分裂しやすいことが知られていて、原子核の外部から1個の中性子を衝突させる。これを ウラニウムの場合に例示する。プルトニウムの場合も同態様となる
ウラニウム原子の核分裂と連鎖反応の態様
一つのウラン原子が核分裂すると、平均して2個の中性子が放出される。その放出された中性子が、他のウラン原子に衝突するとそこで核分裂する。この動作が繰り返さることを連鎖反応と言う。この連鎖反応に伴って膨大なエネルギーと、放射線が放出される。この連鎖反応を開始する状態を臨界という。また、臨界状態にするためには、一定以上のウラニウムと中性子が必要で、一定量のウラニウムをウラニウムの臨界量と言う。
この作用が核兵器の基本原理である。
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